作って売る人にとって、モザイク作業は時間を一番取られ、失敗したときの損害が一番大きい工程です。他の隠し物と違い、漏れが1コマでもあれば作品そのものが出せなくなります。
ここでは、なぜこの部分が自動化しづらいのか、そのうえでどう設定するのかを説明します。
なぜ性器は難しいのか
顔や車のナンバーと比べると、性質が違います。
形が一定しません。顔には目・鼻・口という決まった配置があり、ナンバープレートは長方形です。学習した見え方と実物が近いので、検出が安定します。性器にはその手がかりが乏く、角度と体勢で見え方が大きく変わります。
隠れて、また出ます。手や体、衣服、寝具に覆われて消え、数コマ後に再び現れます。検出が途切れるたびに、復帰までの数コマが危険になります。
境界が曖昧です。どこまでを対象とするかに明確な線がありません。狭く取れば漏れ、広く取れば画づくりを損ないます。
この3つが重なるため、他の対象より「余分に隠す」側へ倒す設計が要ります。
無修正安全度
性器を隠すときだけ意味を持つ設定です。検出を採用するかどうかの線を上下させます。
| 設定 | 何が変わるか | 向く場面 |
|---|---|---|
| 高め | 自信の薄い検出も拾う。隠し漏れが減り、余分に隠れる場所が増える | 販売物、動きの多い素材 |
| 低め | 一瞬だけの検出を誤検出として捨てる。余分は減るが、漏れの危険が少し上がる | 素材が安定していて、画づくりを優先する場面 |
売るための素材なら、迷わず「高め」です。余分に隠れた箇所は見た目の問題で済みますが、漏れは作品が出せなくなる問題です。損害の大きさが釣り合っていません。
処理は少し重くなりますが、やり直す時間に比べれば小さい差です。
対象の形に沿う
四角ではなく、対象の輪郭に沿って塗る設定です。必要な範囲だけが隠れるので、画面が四角で埋まりません。
ただし、性質を理解して使ってください。形を細かく取るほど、取り損ねた部分がそのまま露出になります。四角なら多めに覆っていた場所が、輪郭に沿った瞬間に外れることがあります。
判断の目安はこうなります。
- 対象が大きく、はっきり映っている → 形に沿う方がきれい
- 小さい、暗い、部分的にしか見えていない → 四角の方が確実
なお、顔・車のナンバー・表札・ブランドロゴ・自由入力で指定したものは、この設定に関わらず元から形に沿います。この設定が効くのは性器だけです。
強さ
タイルの粗さを決めます。映像の幅からタイルの大きさを計算するので、解像度が変わっても粗さの印象は揃います。
売るための素材では、中か強を選んでください。弱いモザイクは、粗さが足りずに形が読み取れることがあります。判断に迷うなら強です。
強さの詳しい違いは動画モザイクの強さはどれを選ぶ?にまとめています。
推奨する組み合わせ
販売する素材なら、次を出発点にしてください。
| 設定 | 値 |
|---|---|
| 無修正安全度 | 高め |
| 対象の形に沿う | 有効(小さい・暗い素材では無効) |
| モザイクの種類 | ピクセレート |
| 強さ | 中〜強 |
そのうえで、仕上がりを見て緩めるという順序にしてください。安全側から始めて緩める方が、漏れに気づかないまま出す危険が減ります。
顔も同時に隠す場合
顔と性器を同時に指定できます。この場合、顔は元から輪郭に沿って処理されます。
同時指定は問題なく動きますが、隠す対象が増えるぶん処理は重くなります。確認も両方について行ってください。
変換後の確認
自動検出は完璧ではありません。これは設定でどうにかなる話ではなく、仕組みから来る限界です。仕組みそのものはAIはどうやってモザイクをかける場所を見つけているのかで説明しています。
外れやすい場面には偏りがあります。どこを重点的に見るかは性器のモザイクが外れるのはどんな場面かにまとめました。
販売する前の基準の考え方は販売前に確認するモザイクの基準をご覧ください。
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