作ったものを売るとき、最初の関門はどこまで隠せば足りるのかです。調べても数値が出てこないので、判断できずに止まります。

なお、この記事は一般的な情報の整理です。法的な助言ではありません。具体的な判断が必要な場合は、必ず弁護士など専門家に相談してください。

法律に数値はない

前提として、日本の法律にモザイクの規定はありません。禁じられているのは「わいせつ物の頒布等」であって、「モザイクをかけないこと」ではありません。

そして「わいせつ」に数値の線引きはなく、判断は裁判所が個別に、事後に行います。事前に確認できる公的な窓口もありません

この構造の詳細は日本でモザイクが求められる理由にまとめています。

つまり、「この設定なら安全」と言い切れる基準は存在しません。それを前提に、実務としてどう決めるかという話になります。

実務上の基準は販売先が持っている

作って売る立場では、法律より先に販売先の規定に当たります。

ほとんどの販売サービスは、自分たちが訴訟や行政の対象にならないよう、独自の審査基準を持っています。そこを通らなければ、そもそも売れません。実務上、これが一番具体的な基準になります

確認すべき点は、おおむね共通しています。

観点 確認すること
粗さ タイルの大きさや、何段階に落とすかの指定があるか
範囲 どこまでを覆う必要があるか
一貫性 全編で外れていないことを求められるか
形式 解像度、コーデック、書き出しの指定
審査 提出後の審査があるか、差し戻しの条件は何か
事前確認 出す前に相談できる窓口があるか

サービスごとに違い、改定もされます。ここで読んだ数値ではなく、出す直前に販売先の最新の規定を自分で確認してください。古い情報で作ると、作り直しになります。

複数の場所で売るなら

販売先ごとに基準が違うため、一番厳しいところに合わせて1本作るのが現実的です。

販売先ごとに作り分けると、次の問題が出ます。

管理の手間は、粗さを1段上げる損より大きくなりがちです

自主基準を決めて、毎回同じにする

判断の余地がある以上、自分の基準を文章にして固定するのが実務として効きます。

たとえばこういう形です。

毎回同じ手順にすると、判断のぶれと見落としが減ります。「今回はこれくらいでいいか」が入る余地を消すのが目的です。

設定の選び方は性器のモザイクを自動でかけるにまとめています。

記録を残す

どの素材を、どの設定で、いつ処理したか。これを残しておくと、後から問い合わせが来たときに答えられます

差分版や再販のときにも効きます。同じ基準で作り直せるからです。

被写体についての確認

モザイクの話とは別に、出す前に必ず確認しなければならないことがあります。

忍者モザイクでも、変換の前にこの3点の確認を求めています。モザイクをかけても、この条件を満たさない素材は出せません。ここは技術で解決できる問題ではありません。

迷ったときは

粗くする側に倒してください。粗すぎて差し戻された例より、足りずに問題になった例の方が、損害がはるかに大きくなります。

判断に確信が持てない、金額が大きい、既に指摘を受けている。こうした場合は、自力で判断せず専門家に相談してください