モザイクをかけた動画を見て、「隠していない場所まで少しぼやけた気がする」と感じることがあります。気のせいではありません。動画全体が作り直されているためです。
何が起きているか
処理は2段階です。
1. 塗る。 指定した範囲の画素を潰します。ここで変わるのは、その範囲だけです。
2. 書き出す。 塗り終わったコマを繋いで、動画ファイルとして作り直します。この工程が全体に及びます。
動画ファイルは、画素をそのまま並べているわけではありません。圧縮して収めています。一度読み込んで作り直すと、圧縮のやり直しが起きます。これを再エンコードと呼びます。対象は塗った場所に限らず、画面全体です。
塗っていない場所の画質が変わるのは、この2段階目の副作用です。塗る処理が悪さをしているわけではありません。
どのくらい落ちるか
元の動画の作られ方によります。
元が高画質なら、わずかです。 情報が十分に残っているので、作り直しても目に見える差は小さくなります。
元が既に圧縮されているなら、目立つことがあります。 SNSからダウンロードした動画、何度か編集し直した動画など、既に劣化しているものを再度圧縮すると差が出ます。
動きの多い場面ほど出ます。 圧縮はコマ間の差を利用するため、変化の大きい場面ほど負担がかかります。
変わらないもの
| どうなるか | |
|---|---|
| 解像度 | 元のまま |
| フレームレート | 元のまま |
| 音声 | 残ります(形式は載せ替えられます) |
| 長さ | 元のまま |
解像度が下がることはありません。1080p で入れたものは 1080p のまま出ます。
ひとつだけ例外があります。幅か高さが奇数のとき、1ピクセルだけ切り詰められます。動画の圧縮方式が偶数の寸法を前提にしているためです。スマホの一部の撮影設定や、切り抜いた動画で起こることがあります。
音声について
音声は残りますが、そのままコピーされるのではなく載せ替えられます。映像と同じく作り直しが入るので、厳密には元と同一ではありません。通常の視聴で分かる差ではありませんが、音を重視する用途では意識してください。
元の動画に音声が無い場合は、無いまま出力されます。
音の中身には何も手を加えません。映像を隠しても音から身元や場所が分かることがあるので、映像を隠しても、音から漏れることがあるも合わせてご確認ください。
画像の場合
画像は動画と事情が違い、書き出しは JPEG になります。PNG で入れても JPEG で出ます。透過は失われ、圧縮による劣化も入ります。
透過を保ちたい、劣化させたくない、という用途では向きません。詳しくは写真・画像にモザイクをかけるを参照してください。
元ファイルは必ず残す
書き出したファイルは、元に戻せません。塗った場所は失われていますし、圧縮のやり直しも取り消せません。
やり直したくなる場面は普通に起きます。隠し漏れが見つかった、強さを変えたくなった、別の対象も隠したくなった。そのたびに元ファイルが要ります。
変換後のファイルを確認し終えるまでは、元の動画を消さないでください。
忍者モザイク